7話
7 (最終話)
「それが、今日 美沙が初めて彼氏を家に連れてきたんだ」
先ほど石仲家での事の顛末を、説明し始めるミヤ。
「ええ!! 美沙ちゃん 彼氏が出来たの?!」
「そうそう。で、それはいいんだ。問題はお袋なんだ」
先ほど、母親の恭子が、純也を褒めていた事だ。
「お母さんが どうしたの?....って、それは大事な事よ、だけど美沙ちゃんだよ、今の問題はミヤの妹の事だよ」
「あ、そうだな」
「そうだよ。で、彼氏って?」
耳ダンボのミイ。
「うん、同じ大学の同じ歳で、イケメンだった」
「へぇ、そう....」
「そうって、イケメンに興味無いのか?」
「わたし、みやび だけだもん」
「うわ!! “だもん”ビームが結構 クル なぁ」
思いっきり照れるミヤ。
「それでいて、初対面のオレにもけっこう礼儀正しいし、気遣いが出来そうな男だったな」
「ちょっとミヤ、その美沙ちゃんの彼氏、まだ今いるの?」
「まだ多分ウチのリビングに居ると思う....、けど」
「行こ!」
「え!!」
「今から行こ!ミヤ」
「マジか」
「マジで...、早く行こ!」
「でも....」
「じゃあ、私だけでもいくから」
「しょ、しょうがないな」
「はいはい、は~い」
と、ミイはミヤの尻を軽く数回叩き、早く早くと急かす。
....で、今度は“W雅”が揃って石仲家に戻ってきた。
玄関を開けて、リビングに行くと、雅人が帰っていた。
いつの間にか、和気あいあいになって、四人が楽しそうに喋っている。
「お帰り、父さん」
「おお、雅か...、雅ちゃんもいらっしゃい」
「お、お邪魔します」
すると、純也が開口一番。
「うわ!! すごい美人!!」
と、少し大きめの声を出した。
すかさずミイが....。
(コラコラ、少しは照れを見せなさいミィ (作))
「あなたが美沙ちゃんの彼氏なの?」
「はい、中原 純也と言います。美沙さんのお兄さんの彼女さんですよね?」
((ドドドドキィ....!!、バクバクバク....!!))
「かかか...、かの、じょ、では、あり、ませ、ん。雅と美沙ちゃんの幼馴染の 浜 雅です」
「あ、そうでしたか、すみません」
何処となく何かを感じた純也は、その流れに沿った。
「幼馴染ねぇ.....」
と、恭子が(意味深のように)言う。
まるで話を(わざと)逸らすかの如く、ミイが。
「...で、美沙ちゃん、いつからなの?」
「先々月前からなの」
「よかったね」
「うん」
(よかったぁ~、話が逸れたみたいで....(ミイ、ミヤ))
それからも六人で色々喋って、ミイ達が来てから30分もすれば、和気あいあいとなっていた。しかも、ミイも交えた夕食会が自然と組まれ、純也はみんなに、いい雰囲気で受け入れられた。
その後、純也が帰って行くときに、ミヤ ミイ 美沙で、いつものコンビニまで純也を送って行った。
その後のコンビニのフードコートで....。
「いやはや、いい男だったな。いままで売れてなかったのが不思議なくらいだな、美沙」
「うん、とってもラッキーな優良物件だって、大学の友達も言ってくれたんだ」
「そうね、いい感じの男の子だったわね」
「未だにあんな男が残っていたなんて、美沙の行いが日ごろから良いからだぞ」
「えへへ、そうかな~」
「そうよ美沙ちゃん、いつもいい子にしているからよ」
「お姉ちゃん、ありがと」
そのまま。3人でフードコートでしゃべり、時間も遅くならないうちに、帰って行った。
(あれ!? オレの今日の講習の話って、どうなちゃったんだろ。それと、ミイと二人きりの時間は?....(ミヤ))
と思うミヤであった。
(C)編に続く。
雅と雅 (B)編 おわり。