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雅と雅 (B)編  作者: 雅也
3/7

3話


                 3


 週が変わり、ミヤは今週は五日間連続で講習である。


 テキストでの講習は慣れているものの、実技の講習は.....、実は得意だった。

(会社の機械に乗ってたからね、ホントはいけないけど)


 そして、よく現場の人たちに言われた。


「ミヤ、お前って、機械一般の カンがいいよな。それに センスもいい。これは結構 短期間でマスターしてしまうかもな」


 確かに、重機を含む機械一般は、カンがイイ人は覚えも早いが操作にも無駄がない。後は、その人の性格が仕事の良し悪しを決める。コレでいい と思ったらそれまでだが、“さらに”と思う者が、最後の仕上がりの見た目に相当な差が出る。


             △


 ミヤは、テキストによる講習は得意だ。修了試験でもほぼ満点に近くは確実に分かった。....で、これはもちろん合格した。


(殆ど滑る人はいないんですよ  (作))


             △


 後半は実技だ。これは実際に機械に乗って、ちょっとした操作と作業染みた事をするが、ミヤはこれも得意で、実技試験の時に、乗ってましたか?と聞かれて、ちょっとだけ...、と、若干の嘘をついた。

(てへ!)


             △


 今回受けている講習は、終了するまで一週間かかるので、終了試験が終わるとそのまま週末になる。


 この講習の間にも、ミイとは連絡を取り、事の進捗状況を確かめていた。今日は朝からミイの部屋に行き、話を聞くことにしていた。


「で、どうなったんだ、あの男どもは」

「それなんだけど、人事部の人と話し合いをして、私が事を大きくすると、当事者に迷惑がかかるから、私の退職で事を収める事にしたの」

「そ! そんなのあるか!!そんなんじゃ、その会社ずっと変わらないぞ。いいのか?」

「うん、私はもう辞めちゃうから、もうどうでも良いの....。でもね、今その人達が大事な商品を取り扱っていて、ここでその人達が居なくなると、納期のズレとかで、損害がそこそこ出るから、私が身を引けば、事が鎮まると言う事で、そうしたの」

「うわ~~!! そんなんあるか、そんなのやられ損じゃないか!」


「でもね、その交渉が成立出来たら、その二人は何らかの処分が与えられる事になるらしいの」

「どんな?」

「あまりはっきりは言って無かったけど、減給30~35%で、3ヶ月って言ってたかな?」

「成功報酬無しの減給か~、それもかわいそうだな、でもホントは何処かの支社に飛ばされれはいいのに」

「さすがに家族が居るから、左遷は許したわ。でもね、もう噂は広まっているみたいだから、この後はどうなるか、分からないかな」

「いいのか? ミイは、それで」

「いいの、だってコレで 私、毎日ミヤに会えるから」


「う!!.....、ミイ....、か、かわいい....、けど、いつ退職なんだ?」

「えっとね、明日から一週間は引き継ぎで、その後は有給消化で退職日を待つの」

「って事は」

「再来週からは家に居るから、と言っても、暫くはお店に出てアルバイトするの」

「実家の店でアルバイトか....、暫くはそれでいいと、オレも思う」

「おじさんとおばさんは、何て言ってるんだ?」

「『そんな会社、ホントなら来週から行かなくていい!』とかいってお父さんは随分と怒っていたわ」

「そりゃそうだろ、オレだって将来の “嫁”が 色んな事されたら怒るし、コレを聞いた時から、会社まで怒鳴り込んでいきたい気分でいたからな」


「..........」

「........?」



「ぽ..........」



「.......?....、ミイ...、何 赤くなっているんだ?」

「え?...、ミヤ、気が付いていないの?」

「なにが?......、あ!!」

 自分の心の内に秘めて置いた言葉が、何げない拍子に出てしまった事に、羞恥するミヤ。


「でしょ?」

「うわ~~!! 恥ずかし~...!!」

「こっちもよ...、でも...、うれし~~!!」

「うわ!!」


 どうやら、雅たちは抱き合っているみたいです。



                  △



「ホントに、私だったら徹底的に戦うけどな~」

「やめてよ真由、今はコレで良いと思っているんだから」

「でも、なんか悔しんだよな~」

「ミヤも納得してくれたし、もういいの」

「W雅は優しすぎるんだよ、ホントにぃ...」


 真由がミイの部屋に来ている。 先日の事を電話で聞いていた真由が、一部始終を聞いて、ご立腹である。


「いいから、もうこの話は終わりね」

「まあ、ミイがいいならいいかぁ.......、うん。でも悔しいな~」


 ミイの為に本気で怒ってくれる真由とは、大学卒業後も良い友人で、こうして頻繁に連絡を取り合っている。


「....で、この事について、彼氏くんは何て言ってるの?」

「ミヤ最初はね、すごく悔やしがって、怒ってた」

「当然よね、愛しい愛しい彼女だし」

「茶化さないで(そうだけど....)」

「.......で?」

「最後は オレが会社に怒鳴り込んでやろうか  なんて言ってた」

「けど、宥めたんだね、ミイなら」

「うん、落ち着いてもらって、私がもういいからって、何回も言って、宥めた」

「その男たちの処分はないの?」

「人事に相談したんだけど、左遷はしないって...、でも、この噂は社内とか業界内に広がっているみたいだから、その後はし~らない。でも、それなりの処分は出るみたいだよ」

「どんな?」

「減給だって言ってた」

「かる~.....、自分たちがどういう事をしてたって事が、男目線だから、分かってないのね」

「でも私って、ほかの一部の女子社員からも、いい目では見られてなかったんだよね、後で知ったんだけど、何かキツかったなぁ」

「みやびってスーパー容姿だからなぁ~....。そっか、嫉妬かぁ....、そっちの方がキツイかも」

「うん。でも最後は泣いた」

「そっかそっか~....」

「でも、ミヤが全部受け止めてくれたから、落ち込んでいた気分は大分晴れたかな」

「うわ!  いいな~彼氏....」

「真由だって しっかりと聞いてくれるじゃん。ありがとうございます」

「ん~~~~~~、テれるなぁ」



 女子トークはコイバナが多い。



 真由が帰り、その後ミヤとの待ち合わせがある。

 ミイにとって、大好きな時間だ。そろそろ9時半になる、玄関に出ると、ミヤが待っていた。そのまま手を繋ぎ、コンビニに向かう。





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