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雅と雅 (B)編  作者: 雅也
1/7

1話


                 1


 ミヤの通う通信制大学も、今は4年生となり、とりあえずは順調に学業は進んでいる。


 社会人としても、段々充実してきた、ただ、学業との両立は、結構な体力と精神力、それに学力が伴わなくてはならない。それも、丸3年越ししてくると、パターンが出来てきて、上手くやり繰り出来る様になっていた。


 一方のミイは、先日無事に大学を卒業して、一般の会社に就職した。一ヶ月の研修の後、先輩OLと、入出荷のチェックのまとめから業務を開始しして、それも、3ヶ月ほどすると、小口のまとめは任される様になった。

 それでも週末のミヤとミイは、学生時代から続けているコンビニのフードコートでのデートは続いていて、それが唯一の楽しみとなっている。



 だが、秋になると、ミイの周りに変化が出てきた。



 この頃から、部署の上司がやたら迫って来るのである。


 それが月を追うごとに、少しづつ しかも時々ボディタッチまでしてくる様になった。

 これにはミイも何ともならず、とりあえずは大事にはしたくはないので、姿が見えたら避けるようにしていた。またそれとは別に、男性の先輩も、言い寄って来る様になっていた。

 事あるごとに、頻繁に声が掛かり、食事 映画 アトラクション イベント 等々、色んな誘いをしてくるのだ。しかし、ミィも のらりくらりと柔らかく断ってはいるのだが、なかなかしつこいこの先輩は、とうとうミイの帰りまで待ち伏せて誘う様になってきた。

 なるべく事を穏便にしておきたいミイは、たまの食事くらいは付き合ったが、その先輩はそれ以上の付き合いを迫って来たので、ミイはとうとう 彼氏が居る事を告げた。 のだが、それでも諦めず、一向に誘いがかかる日々が続いていた。


 一方、明らかなセクハラ上司は、益々過激になり、最近は腕まで掴んでくるようになっていた。 『はなして』 と何回も言うのに、一向に止めようとしない、しかもタイミング良く、ミイが一人になった時を狙って、近づいてくる。



         ◇



 この会社に入ってもう 一年以上になっていた。



 相変わらずの上司と先輩の行動に、嫌気がさして、この事はとてもミヤには言えず悩んだ末に、ミイは同じ部署の先輩OLに相談してみることにした。


「まかせなさい!そいつら許さん」

「ありがとう先輩」


 それから数日後、今までが嘘のように何もなくなって、ミイには平和な日々が戻って来た。


 後日、先輩OLに

「なんて言ったんですか?」

 と、聞いたら、二人を呼びだし、一気にまくし立てたそうだ。


「あんたら会社に来れないようにしてやろうか?」

 と、机をたたき、詰め寄って、言い聞かせたそうだ。

「しょ、証拠があるのか?」

 と、聞いてきたので

「コレからあんたたちが近づくのが証拠になる様に、彼女にそれなりの物を渡しておくから」

 と言ったそうだ。 それに、殺し文句が

「この会社、結構あちこちにカメラがあるのよね、今までのが録画されていたらどうする?」

 相手のふたりは

「「........!!」」

 これにはただ、黙るしかなかった。


 『やり取りを、陰で見てなさいと』先輩OLに言われて一部始終を陰から見ていたが、この先輩だけは敵に回してはいけないと思うミイであった。


「女の敵は、しっかりと退治しておかないとね...、うふ」

 と言いながら、報酬として、タピオカミルクティー&スイーツをセットで、三日間 奢らされた。 .....が、とてもありがたかった。



        ◇




 ミヤは、ミイと一年違いで無事に大学を卒業し、情報処理系と、施工管理技士などの資格の勉強をし、今は会社の業務に集中している。


 忙しかった4年を思い出し、在学中に何度か大学に行く事があるその時は、ミイと真由に連絡を入れ、タイミングが合えば会う約束をして、学食で昼食を一緒に食べると言う、ミヤとミイが夢にまで見た、大学生活を、たまに過ごした。


「こうやって、二人と昼メシが食えるなんて、もっと早く通信 の事を知っておけばよかった」

「そうだよ。ま、でもいいか、在学中にこうして3人で学内でたまに会えるし、一番ミイが嬉しんじゃあないの?」


 満面の笑みとちょっと顔を赤らめたミイが。


「うん、嬉しい。こうやって3人でココでご飯が食べれるなんて...」

「でも、ミヤはいつもカツカレーだけど、なんで?」

「う~~~~ん...、ここのって、美味いから...かな?」

「ひゃ~!.....、 ありっきたりの返事 あざ~~す!」

「はは、真由、おもしれ~な」

「なによ!」


「「「あははは.......」」」


(でもねミヤ。さっきから、この美人二人と笑いながら会話をしているミヤへの鋭い目線が怖いのを、気が付いているのは、私だけかな? (作))



 ....と、在学中の事を、懐かしく思い出すミヤだった。




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