神様(?)現る!!(怪しさ満点)
「やぁ!キミ、とうとう死んじゃったね!でも不運すぎる割には頑張った方じゃないか!」
なんだコイツ……っていうか僕って死んだはずじゃ?てかここどこだよ!
「まぁ落ち着いて。あと初対面の人にコイツってのはちょっと酷くないかい?」
いや僕何も言ってませんけど!?何?コイt……この人心読めんの!?
「そりゃ読めるさ。なんにせよ僕はカミサマだからね!!」
胡散臭いことこの上なし。いや待て、でも確かに僕は殺されたはず…てかまじでここどこだよ。
辺り一面黄色い雲に覆われている。そしてこの目の前の人型がぼやけてる感じのやつが(自称)神なんだろう。
「あぁ、ここがどこかをまず説明しよう。
ここは死者の世界。と言っても生と死の境目ら辺かな?ここには私と君しかいない。まぁくつろいでくれたまえ〜」
いやくつろげるか!!考えて見ろよ!気づいたら訳わかんないとこに居て目の前に変な物体がいるのにくつろげと!?胆力バケモノか!!
ってかそもそも僕はなんでこんなところに呼ばれたんだ?普通はこんなのない…よね?ね?まさか死んでる人って全員こんな体験してんの?
「おっ!物分りが早くて助かるね!そう。一般人は死んでもこんなとこには来ないし神ですら基本は関係の無い場所だ。そんなとこになぜ君が呼ばれたか、それはね…」
…それは?
「君が私の手違いで不運な体質で生まれちゃったからさ!!!」
………は?
「まぁ、うん。そんな反応になるよね。分かる分かる。」
いや分からねぇよ!?
「まぁ聞いてよ。まず僕の立場を話そう。僕はこの世の人間の「ステータス」、分かりやすく言うと能力値を操る神様だよ。僕の役目は人間が生まれる時にその人間の「ステータス」を決めるのさ。その人の身の丈に合ったステータスをね。まぁ見てもらう方が早いよね。はいこれ。君のステータス表。」
―――ブォンッ
うわ、なんか出てきた!えーっと、
名前 出雲智和 年齢26歳 職業 探偵…
なんか個人情報筒抜けになってるみたいで嫌だな。
「神に対してそれは今更すぎる気がするなぁ」
可視化されると感じることもあるんですよ。
「神に何かを教える人間初めて見た…」
確かに毛ガニズワイガニ…
「おもんな…」
うるさいやい!って何この「不運+3」って!
「あ、そうそうそれだよ!それが君が不幸体質だった理由ね。」
あの、僕の聞き間違いじゃなければこのステータスって神様が振ってるんですよね?それってつまり…そゆこと?
「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ。」
うっせぇコノヤロウ!テメェのせいでどれだけ大変だったことか!謝れ!今すぐ!!
「なんだとぉ!神に対してコノヤロウだとぉ!?コノヤロウって言った方がコノヤロウなんだよコノヤロウ!」
はーい今コノヤロウって言ってました〜!やーいやーい!.......ふぅスッキリした。
「まぁうん、正直僕が悪かったからね。うん。これは詫びるよ。ごめんなさい。」
分かればいいんですよ分かれば。
で?まさか詫びるだけの為にこんな所呼んだんですか?
「もちろんそんな訳ないさ!ねぇ、君さぁ…」
こいつ、自称神が放った一言は、僕の心を動かすのに十分なものだった。僕はこの時初めて不幸で良かったと思えた。
…ような気がした。
「君、異世界に行ってみたくない?」