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Ep.1  目覚め

楽しんでくれると幸いです。

※過激な表現が含まれるためご了承ください。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目が覚めるとそこはいつもと違う景色が広がった。

どうやらここは病院みたいだ。

窓からは街の景色が伺える。夜の時間帯で窓からは月の光が照らされている。

さっきまで誰かいたのかわからないが、窓側の方には椅子が置いてあった。

右腕には点滴がしてあるようで、かなり動かしづらい。


あれ、そういえば俺なんでここにいるんだっけ。あぁ、そうだ先輩に振られたんだったな。

そのあとショックかなんかで倒れたんだっけ…。

昨日のことを想うと胸が苦しくなる。

虚しい顔をして俯いていると誰か入ってきた。


「石黒さん、失礼しまーす。」


小声で入ってきたのはどうやら看護師のようだ。

俺が起きているのを確認すると慌ててどこかへ行ってしまった。


そういえば意識を失ってどれくらい経つのだろう。

近くに置いてある時計を見るが日付は分からない。


「どうだい、体は動かせるのかね。」


低く凛々しい声で入ってきたのは医院長らしき人物だった。先ほどの看護師も一緒だ。

所々生えた白髪に少し焼けた肌、大柄な体格で医院長というよりかはヤクザのような見た目をしている。


「私はここの医院長の酒向というものだ。」


どうやら俺を見てくれた医者らしい。


「君はひどい貧血でね。真っ青だったよ。」


やはりあの時の原因は貧血のようだった。


「俺が意識を失ってからどれくらい経ったんですか。」


「3か月ぐらいじゃないかなぁ。」


どうやらかなり長い間意識を失っていたらしい。

あの日は確か11月だったはずだ。だとすれば今は2月頃。

そういえば3月に何か大事なことがあった気がするが思いだせない。


「そうだ、君の彼女さんか分からないけど今までずっとみてくれていたんだよ。

さっき下の方に行ったはずだから、目覚ましたよって呼んでこようか?」


彼女?先輩のことだろうか。俺をずっとみてくれていたのか。

振られたからもう関わらないだろうと思っていたのに…


「いえ、大丈夫です。酒向さんも大変でしょうし…。帰ってくるまで待ちます。」


酒向さんは「そうかい。また何か体調が悪くなったりしたら呼んでね。」

そう言って看護師と一緒に帰っていった。


彼女と勘違いされてことに喜びを感じながらも、

なぜずっとみてくれていたのか不思議で仕方がなかった。

先輩の優しさなのだろうか。それともあの時聞き取れなかった言葉に何か答えがあるのだろうか。

しばらく考えながらふと窓の外を見ると、3、4人くらい男の集団が女性に絡んでいた。

先輩だろうか。


そんなことを考えるより先に体が動いていた。






読んでいただきありがとうございました。

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