謎のラブレター
僕の住んでるアパートのベランダで育てているヨモギを収穫した。
ピーナがホットケーキミックス粉を使ったお菓子を作ってくれるとのこと。
よもぎを洗ったりちぎったり、ボウルにボウル型にラップを敷いたりしている。
どうやらラップを敷くことで洗い物が楽に済むらしい。
シナモンパウダーをふって、砂糖を入れて・・・卵を使わないのは意外だった。
タネを作った袋の端をハサミで切って、ボウルにしぼりだす。
それをレンジで3分30秒を目安にチン!
あとは必要ならレンジ加熱で微調節、出来上がり!
ピーナの作ってくれたお菓子を食べながら、仕掛け箱と格闘しているロイディ。
僕の家に来るのは珍しいことだ。
なんてったって、ロイディと自室でふたりっきりは危ない。
僕の身も心も危ない。
丸め込まれるかもしれない。
親友としては大好きだけど、今日は来るの分かってたからピーナを呼んでおいた。
と言うか、僕の家におかしな仕掛け箱が届いた。
差出人は不明。
そのパズルを解くと、箱が開くらしい。
「あ。開いた・・・」
三人で中をのぞき込むと、そこにはメッセージカードが入っていた。
そこには【 親愛なるアール君 愛してるから君を殺したい 】と書かれてあった。
ピーナは顔面蒼白で、ロイディは顔をしかめて、そして僕は案外と平気だった。
ひとりだったら不安だったろうけど、ふたりがいてくれてよかった。
「きっと写真集出したから、嫉妬のたぐいだよ」
ふたりは「重々気をつけて」と心配してくれたから、僕はまだ頑張る。
◇ピーナが作ってくれたお菓子の名前は、「まんだもけもけ」◇