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魔法使いの幻想日記  作者: セツカ・ロクウィル
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学校の庭


 養分がいっぱいの土があれば、どうにか食糧難は改善するかもしれない。


 当たり前のことかもしれないけど、行き着くまでに納得できなかったんだ。


 それを寿学院の『グレープ』たちに話したら、喜んでくれた。


「普段なにも代わり映えがないから、このお話、ありがたい!」


「うんうんっ」


「うん。庭借りようよ。庭」


 『グレープ』たちは学校の敷地にある庭の一部を貸してもらう手続きをしてくれた。


 学校側がなんて言ったかって、意欲的に学びを楽しむその姿勢が素晴らしい、だった。


 日頃から『グレープ』の善行は気に入られていたから、貸し出しが叶った。


 僕も庭作りに参加してもいいらしい。


 それからそれを指丈小人さんたちに聞かれていて、「参加したい」と言われた。


 困っている僕をよそに、グレープ三人が「いいよ~」と返事。


 なにかあったらどうするんだ、ドールハウス生活しかしたことないのに。


 学校の敷地には森とか林とかがあって、動物いるのに・・・



 とりあえず庭の管理をしている庭師さんに挨拶しに行った。


 振る舞われたのは伝説の『天空の巨人苺』をそいだもの。


 目の前でそがれるひとかかえある巨大な苺にほれぼれする。


 さすがに苺大好きな僕でも、非売品の天空の巨人苺は食べたことがなかった。


 もう上着とか汚れてもいいかもしれない、とかありえないこと思って食べる。


 とっても美味しかったから、みんなに配れる分まで収穫がある野菜を作りたい。


 うーんと大きい、ピンクの苺は可愛いと思う。


 なんだか夢があっていいと思うんだ。


 食糧難のひとが聞いたら気を悪くするかもしれないけど、僕はそれでも豊かになりたい。


 僕はこの星に生まれたからには、皆で心も体も頭も、豊かになりたい。


 だから、食育って必要だと思うんだ。


 僕から出てきた普通で特別な言葉を、グレープと庭師さんは肯定してくれた。

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