霊石屋『月輝堂』
なんだかペールに入会したらしいし、何を守ろうかについて自己防衛くらいはしたい。
なので散歩中に見かけた霊石屋に自然と歩は進んだ。
霊石には不思議な力が宿っていて、主人を選ぶと守ってくれるらしい。
今まで霊石とは特に縁がなかったので、少し緊張している。
こっちだよ、と感覚で呼ばれた気がしたからだ。
「魔法使いのひとはこいちだよ」と、綺麗なお姉さんが僕に言った。
「ここらでは『一箱市』、珍しい」
「気まぐれで回っていてね。君、可愛いね。どこかで見た気がする」
僕はモデル業もしているので、「そうですか」と無難に答える。
「好きに見てもいいよ」
左の手で霊石のブレスレットを触ると、何かがつながった気がした。
もしかしたら、よろしくな!
白いオニキスのブレスレットが、感覚で言ったような気がした。
そのブレスレットはひとつ8000シューイーズ。
ロイディとビワちゃんとアカツキ君とピーナと・・・もしかしたら、ビルナ。
それから『グレープ』の三人組のことが脳裏をよぎる。
「その顔から察するが、何人にあげたいんだこの運命のブレスレットを?」
「多分、八人・・・」
「ちょうどホワイトオニキスは在庫を入れて八本。ひとつ1000シューイーズにしよう」
「はぁ!?」
「ははは。気にするな。金持ちの道楽だ」
「こんなに良いものを?」
「それが言われたくてこの役割してる。やっつで8000シューイーズ」
「納得したら買うから、全部、ひとつひとつ見せて」
◇結局霊石ブレスレットを八本買ったあと食べたもの◇
*屋台のたこ焼きと、魚介の天ぷら