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魔法使いの幻想日記  作者: セツカ・ロクウィル
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ニュース ~植物好きへの朗報 あいる~


 その植物の名を、「あいる」と言う。


 あいるは通称で、正式名をアイルナルバトーニャ・クリソと言う。


 特徴はなんと言っても、香りである。


 特有の水分は甘くとろけそうな香りで、持ち歩くと香水に間違われるなんて逸話もある。


 栄養面ではいまだ未知の領域のエネルギーを秘めている。


 その未知の成分は「自分を取り込む者を選ぶ」と言われている。


 栄養学面で、だ。


 その未知のエネルギーに適合すれば、摂取して生き残る者もいる。


 そしてどんな健康体であろうとも、適合しなければ死ぬと言われている。



 「ふざけた気持ちで摂取してはならない」。


 匙と呼ばれるタイプの血液検査官たちからの報告に、そうある。



 姫君たちは通常結婚するまでは巫女であるが、


 その美しさに嫉妬と呪いを放つ者もすくなからずいる。


「あいる」はその嫉妬と呪いを打ち消す効果が見込まれている植物だ。



 王族にとっての伝説の植物、「あいる」。


 その植物が雲の中に根を降ろし、空魚たちと特有の会話を楽しんでいる話は有名。


 そして気まぐれな『あいる雲』が地上に降りてきた時にしか、普通お目見えしない。


 そこにきて今回の、あいる畑の報道は植物好きにはたまらない朗報だった。


 山岳に、『あいる雲』の気まぐれがおこりやすい場所が発見されたのだ。



 ひとくち口にするだけで、もう死んでもいいと思わせるほど芳醇な味とのうわさ。


 実家からの情報で機会があれば試飲してみたいが、選ばれるかどうか不安である。


 なにせ選ばれる理由としての統計が、「助けたい」と自然と思ったことがあるひと。


 その中でも、助けたいと強く思った賢者くらいにしか適合しないと言う。


 賢者とまで言えるかどうか分からないから、不安だ。

 

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