ナップルパイ
学校の寮の厨房を借りて、メリッタとマリッタとアカツキ君とナップルパイを作った。
アカツキ君と双子侍女は出来上がった丸いパイを、アサヒおばちゃんに届けに行った。
ナップルは甘い香りのする果実、野菜だって言い張るひともいる。
それに合わせるのが『ナイス』と言う天然で甘い豆。
ナップルの皮をむいて大きな種を取りざく切りにして、ナイスとコンポート。
コンポートしたナイスはベリーみたいな香りに変わるので、ベリーナイスと言う。
余談だけど、この時点でベリーナイスは、味も香りもとてもいい。
皆が一度は言ってみたいセリフだ。
今回は自分で考えた一個につき春巻き二枚の皮で包む、パイ。
具を巻いて卵黄を塗って閉じて、フライパンで焦げないように焼く。
約束の時間、完成した頃にちょうどやって来た『グレープ』たちに大好評。
「食べやすいねっ」
「美味しい」
「味は普通、ってことは・・・・美味しいんじゃん?」
グループ『グレープ』は寮の談話室にいる小人たちにもあげると言った。
そう言えば小人さんたちどうしているかな、と思って一緒に談話室へ。
新作ナップルパイを彼らの住むドールハウスに置いてみる。
挨拶に、と集まって来てくれた小人約五十人が数秒の間ののち、歓声をあげた。
魔法で小さな花火まであげられて、ちょっと笑ってしまった。
なかなか可愛いと思っているから、また何かひらめいたらお土産持っていこう。
◇お礼に『グレープ』からもらったもの◇
*パンクな鍵のイヤリングとアンティークなルーペペンダントと歯車飾りの山高帽
それから、「ありがとう」って言葉。