ドラゴンの巣からの帰り
ドラゴンの世話手伝いの経験から、短いけどお話を思いついたから記述する。
プリントした写真をアサヒおばちゃんたちに見せたら、大盛り上がり。
アサヒおばちゃんの「人食いドラゴンとの戦闘はなかなかだった」の言葉に
おばちゃんが昔すごいボディガードだったのを思い出した。
アカツキ君は、「血の記憶がこわーい」と笑っている。
今度機会があるんだったら、アカツキ君の侍女ふたりについて書こうかな。
◇ 作品 ◇
ドラゴンの巣からくすねたたまごは、専門狩人に診てもらうと偶然にも全部が無精卵。
ドラゴンの体質上各々が無精卵を多量に産む時期があって、
何でも屋の男が狙ったドラゴンの巣はそれらしい。
自然界が作った天然の広場で待ち合わせしていたが、依頼は有精卵。
明日にそなえて今夜は野宿だ。
気さくな方の専門狩人たちが、無精卵を食べちまえよ、と推奨。
食べ方が分からないと素直に言うと、親切にも料理をしてくれるらしい。
火を焚いて歌をくちずさんでいる若い男の邪魔をしないように、
岩肌にもたれて少し休んでいた。
歌詞は壊れたレコードのように「今夜こそお前を」を含み同じ部分を繰り返している。
自分を誘っているのか、と声をかけると、若い男は歌の一部しか知らないだけだ、
と慌てた。
うしろに立たないでくれと言われた何でも屋は
「護ってやってたんだ。背後に気を付けろ」と言って居場所を焚火の隣に移した。
-ドラゴンの巣からの帰り-