香水「M」
僕は個人的な研究で消臭と芳香にも興味がある。
昔からの例を挙げると、一般浸透しているのは「香水」だと思う。
バイト代が少し余ったので、今回は自分へのご褒美に香水を特別注文。
専門のお店に行って、テスターをかがせてもらったりした。
ちなみに余談、香水を極めるために飲料は水しか飲まないひとがいるらしい。
ジュースが大好きな僕からしたら、とんでもない頑張りだ。
まず、香りの軸は『梨』だと決めておいた。
そこから展開する複雑なダッシュフレーバーを探す。
全体的に甘い香りになるように、男女兼用っぽさも出して・・・
完成には時間がかかるのかな、って思った。
でも、事前に調べておいた成分を担当さんが混ぜてかいでみて、承諾。
容器を選んでいる間に芳合はすんで、会計をした。
十二万シューイーズもしたけど、お気に入りの香りの感覚再現。
偶然帰り道の自宅前でアサヒおばちゃんとアカツキ君に鉢合わせ。
そして風に乗る僕の香水「M」の芳香に、おばちゃんがはっとした。
近くにあるパラソルカフェで話をすると、やっぱりおばちゃんは泣いた。
「最近、涙もろくなって・・・もうすっかりおばちゃんね」と彼女は苦笑。
僕が再現したのは、ミヤビ・ロクウィルのしていた香水。
アサヒおばちゃんが泣くくらいに似てる匂いらしい。
赤子の頃、数日一緒に過ごしていた時の記憶で作ってみた。
ミヤビ・ロクウィルが特注した香水は、事故で蒸発したから今はない。
アカツキ君が僕とママ用にも欲しいと言うので、専門店とレシピを紹介した。
アサヒおばちゃんがストロベリーシェイクとホットドッグをおごってくれた。