転校生
制服は黒いワイシャツに、赤リボン、黒基調の赤いチェック柄ズボン、指定靴。
学校から呼び出され、制服に身を包み参上。
親戚の子が西方寿魔法学院に転校して来る、と言うので、顔合わせだ。
特待生として迎えられたその子は、
どうやら僕が学校に通っていないことを理由に
早々と、自分も途中スキップしたい、と言い出したらしい。
名前は、アカツキ、11歳の男児だ。
久しぶりの対面はまず、彼の長めの染めた赤い髪が印象的だった。
そして無表情で席を立ちあがると、両手を広げて僕にハグをうながす・・・
と、言うより、だっこをせまって身体をからめてきた。
「もう11歳でしょう?」
「今はどうでもいい」
抱きついてほほや頭をぐりぐりしてくるアカツキに、違和感。
「身長とか体格どうしたの?」
「新薬試された~」
「まさか・・・新薬の試作品?」
「そう」
他言は無用で、と同席していた教師のひとりが言いかけたが、遮られた。
そこにいたのはアカツキの母で、どうかよろしく、と言われた。
新薬を試されて、頭の弱い成績優等生のまま体内年齢と見た目が二十歳を超えたらしい。
しかもこの学院で研究されている新薬の影響らしい。
子供が通う他の学校で二十歳の見た目の彼は手に負えず、転校してきたのが、ここ?
君がいるから、とまるで小声のような優しい発音のアカツキ。
相変わらず可愛さは変わらないが、いきなり身長を抜かれて正直驚いている。
とりあえず寮に住むらしいが、一緒に学校に通う侍女付きってことになるらしい。