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★4話 約束★達也side

朝目が覚めた時、すぐに昨日のことを思い出した。


あー、そうだ。


そういや立川と昨日なんかケンカしてたんだよなー…


なんか今日会いづらいけど…


まぁいいか。


オレはそう想い、部屋を出た。


「あ、立川!おはよー!」


リビングで立川を見つけたオレは昨日何事もなかったかのようにあいさつした。


なのに立川はオレの方を見ようともしない。


…なんだよ。


まだおこってるのかよ…


本当にこいつだけはしつこいやつだな…


そう思った時、


不意に立川が言った。


「達也、私が今日大学から帰ってくるまでにこの家を出ていって」


「はっ?」


思わず聞き返す。


いきなり何を言ってるだ、こいつは。


すると立川が急に振り返って叫んだ。


「だから、この家を出ていってって言ってるのよ!!!」


オレは一瞬言葉が出なかったが、すぐに言い返した。


「なんで??はじめに自分の家にきてもいいって言ったのは自分だろ?」


自分から言っといて…


急に何を言い出すんだ?


この女は…


「でも、もうダメなの。だってあなたは達也じゃないもの。…私、耐えられないの!あなただって私といても疲れるだけでしょ!?」


立川は少しヒステリックぎみにいった。


そしてそばにあったカバンをつかんでドアノブに手をかける。


オレは止めようとはしなかった。


なぜならさっき立川が言ったことに共感できるからだ。


たしかにオレはあいつのしってるオレじゃない。


それに、オレもあいつといても疲れるだけだ。


なら、オレはここを出ていった方に決まっている。


それの方が楽しそうだ。


立川が急にふりかえった。


なんだよ?


やっぱ出ていかせる気なんかないんじゃないか??


そう思ったが、オレは立川の表情を見て驚いた。


「さようなら。達也…」


そう言った立川の顔は涙にぬれていた。


…なんで泣いてるんだよ…??


そう思った時、


頭の中で声が聞こえた。


―――おまえが泣かせたんや―――


その声はオレの声とまったく同じだった。


…オレが??


―――何してるん?はやく引きとめろ!おまえのせいやぞ!?―――


…いや、おまえのせいといわれてもオレは泣かせるようなことをした覚えはない。


それにオレはこいつと離れて暮らした方がいいに決まっている。


―――…ほんまに??―――


オレは素直な返事ができない気がした。


そして…


「理沙!」


気がつくと、立川の手首をつかんでいた。


「達也…??」


立川が驚いたようにふりかえる。


「あれ?オレ…」


何してるんだ??


別に引き留めるつもりはなかったはずなのに…


立川が急にオレの肩をつかんだ。


そして激しく揺さぶる。


「達也、達也!思い出して!!私達、約束したでしょ!?必ずまた会おうって!」


「約…束…??…っつ!!」


急に割れるような額の痛みに襲われた。


頭の中にいろいろなシーンがフラッシュバックする。


――夏のキャンプで『誰か』と過ごしたこと。


――花火大会で『誰か』と初めてキスしたこと。


そして――


――急に大阪に戻ることを告げられたこと。


――ショックでむりやり『誰か』を求めようとしたこと。


――別れの時に『誰か』とまた必ず会おうと約束したこと。


――絶対に『誰か』の元に戻ってくると誓ったこと――


その『誰か』とは…


立川…いや、


…理沙。


そう。


そうや。


オレがここにきた目的は…


…理沙との約束を果たすため…


顔をあげるとすぐそばに理沙の顔があった。


理沙が立ち上がろうとする。


オレはそれを阻止するように抱きしめた。


少しでもはやく、理沙に触れたかった。


「理沙…」


愛しくてたまらない名前を呼ぶ。


オレにとって大切で、かけがえのないやつの名前。


「オレ、ちゃんと約束守れたよな??」


オレはおまえとの約束を守るためにおまえのところに帰ってきたんや。


まぁちょっと記憶なくしてまうとか、遠まわりもしたけど…


ちゃんとおまえのところに帰ってきた。


「…帰ってくるの、遅すぎだよ…バカ…!」


理沙は顔を涙でぬらしながら笑顔で言った。


そしてオレの背中に手をまわす。


オレはそんな理沙の瞳をのぞきこんだ。


「ほんまに…おそなってごめんな?」


オレは記憶をなくしてる間、おまえのことを悲しませてた。


ほんまに…


もっとはやく記憶が戻ってたらおまえをこんなに傷つけんですんだのに…


「…キスしてくれたら許してあげる」


理沙は小さな声でぼそりと言った。


驚いて思わず顔が熱くなる。


「ったく、しゃーないなぁ…」


理沙がそっと目を閉じる。


オレも目を閉じて、そっと理沙の唇に触れた。


久し振りに理沙のぬくもりを感じた気がした。


やっと…


オレは理沙のもとにたどりつけたんやな。


ここまでくるのにまぁまぁ時間がかかったけど…


こんどはもうはなさへん。


理沙。


オレとおまえはこれから先、ずっとずっと一緒や。

これで本当に本当に完結です。

まったく終わり方が急すぎてよくわかりません;

まぁそれは許してあげてください<m(__)m>


ちなみに今新しく『純恋』という小説も書いています。

この話とは少し違った感じの話ですが…

気がむいたらよんでみてくださいね♪

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