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☆2話 退院☆理沙side

今日は達也が退院する日。


まだ記憶は戻っていないけど生活のなかでもしかしたら戻るかもしれないからとりあえず退院するらしい。


達也の家族は仕事で忙しいらしくとりあえず私が迎えに行くことになった。


病院へ足を進めながら小さくため息をつく。


私は達也が入院している間も毎日病院にかよっていた。


それでも達也の中での私の立場は『ただの友達』。


…でも『他人』から『友達』になったんだよね?


うん。そのうちきっともとの立場に戻れるよ…!


考えているうちに大きな白い建物が見えてきた。


扉をくぐるともう達也が荷物をまとめて私を待っている達也が目にうつる。


達也は私に気がつくとにこっと笑って私に手をふった。


私は急いで達也にかけよる。


「ゴメン、遅くなった!」


「ああ、全然大丈夫だから。それよりオレってこれからどこいくんだ?」


関西弁じゃない。


ズキッと胸がしめつけられた。


やっぱり…


ここにいる達也は達也じゃないんだ…


あらためて思い知らされたような気がした。


それでも私は笑顔をつくる。


「うーん。とりあえず私の家いこっか!」


私は大学生になった。


電車で二駅ほどの結構近い大学にかよっている。


それで経験もかねて今は1人暮らしをしている。


だから今からとりあえず行くところにはちょうどいいんだ。


「えっと…お邪魔します??」


達也のバカ丁寧な言い方に私は思わず吹き出してしまった。


「何それ!?なんか達也らしくな…」


そこで思わず言葉を切る。


そうだ…


今の達也はまえの達也とは違うんだ…


「どうした??」


「…ううん、なんでもない!」


不思議そうに尋ねる達也に私は笑顔をつくってかえした。


「とりあえずお茶入れるから適当に座ってて!」


達也はきょろきょろと部屋を見回してテーブルのそばのソファに座った。


私はお茶とお菓子を持ってくると達也と向かいあって座った。


「で、病院で聞いてた話じゃ、オレの家って大阪にあるんだよな?それじゃぁオレ、大阪に戻った方がいいのか?」


チクッ…


胸に何かが刺さったような痛みが走った。


大阪に…戻る。


―――絶対にまた、ここに戻ってくるから―――


達也が大阪に戻ったあの日。


達也はそう言った。


でも…


達也は戻ってこなかった。


戻ってきたのは達也のカタチをしたまったく別の人。


それでも達也に戻るかもしれない。


でも…今、達也を大阪にかえしちゃったらもう戻らない。


なんとなく、そんな気がした。


どうにかして達也を引き留めないと…!


「…ううん。きっと達也は目的があってここにきたんでしょ?それならとりあえずその目的を思い出すまでここにいなよ。そうだ!しばらくだったら私の家にいてもいいから!」


多分達也がここにきた目的は私に会うため。


それを思い出してくれたら…


きっともとの達也に戻ってくれる。


「ここに??…そうだな。多分オレもなんかあってここにきたんだ。何か大切なことかもしれないし…」


達也はしばらく考えるように下を向いた。


「うん。それじゃおまえがいいならここにいさせてもらう。本当に…いいのか??」


「う、うん!」


私は大きくうなずいた。


きっと私と一緒にいれば達也は思い出してくれる。


そう思うとうれしくなって自然に笑みがこぼれた。


「よろしくね!達也!」

かなりひさしぶりの投稿です…

あいかわらずよくわからなくてすいません;

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