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10.特訓するそうです

少し短いです。

明日また投稿します。

競技振りが終わり、生徒たちはそれぞれの競技ごとに集まっていた。



「んでどうするよ?」


百人斬り班の中でも、ひときわ図体のでかいソラウスが問いかける。


「まずはルールの把握をしたい。」


高身長のイケメン、アレスの次にモテるできる系男子のシンカーが返す。


「私もよくわかってないんだよね。」


「私もです。」


赤毛のショートが印象的なハイラ、小柄なクラリスが同意する。





[百人斬り競争]


勝敗

・勝敗は打突威力・打突部位・クリアタイムで決する


・打突威力・打突部位に関しては、訓練用ゴーレムの、感知魔術によって採点する。


・打突部位・打突威力は、減点方式を採用する。撃ち漏らしたものはゼロ点としてカウントする。


競技場

・競技場は第三修練上を使用する。


・スタート地点を中心に扇状にゴーレムが配置されており、後半に連れ数は多くなる。


反則

・敵チームへの妨害。魔術、物理を問わず失格とする。加減によっては全競技失格とする。


・競技中魔術の使用。一度目は注意、二度目は失格となる。





「って感じだな。」



「これ後半きつくない?」


「確かに。後半は数が増える上に、抵抗までしてきますもんね。」


「勝負はいかに最後列を迅速に対応できるかだな。やはり五人で決めるのが得策か…」


一人一人意見を述べていく。

そんな中、今まで黙っていたレッドが口を開いた。


「最後は俺たち男三人でなんとかするべきだ。」



「どうしてそう思うんだ?」


シンカーが聞き返す。


「まず、俺たち男子と、ハイラさん、クラリスさんの間には目に見える走力の差がある。ここでの五人揃っての行動は、タイムロスを招く。」


しかし、とレッドが続ける


「かといってバラバラに攻めるのは愚策だ。そこで俺たち三人は取り敢えず全速力で最後列を目指しながら、速度を落とさない程度に潰していく。その後ろからハイラさんとクラリスさんは俺たちの撃ち漏らしを処理していってほしい。」


「なるほど。五人での行動は確かにタイムロスにつながる。いい案だと思う。」


「俺もそう思うぜ!要するに最後尾まで突っ込んで全部倒してゴールってことだろ?分かりやすいぜ!」


「ソラウス脳筋すぎ。まぁ確かに、理には叶ってるわね。」


「アレス君のサポートに回ってほしいってこういうことだったんですね。」


レッドに、他の4人が賛同を示す。


するとレッドは…





「俺にもう一つ作戦がある。」




そう呟いた。




(二百メートル直線障害物競走)



「嫌よ」


栗色の髪の毛をショートボブにしたラーシャは、目の前に座る黒髪のポニーテールの女子、イーラに愚痴をこぼす。



「私だって嫌よ。あの先生、絶対に意地の悪い障害物を用意するもの。でも…」


2人は揃ってため息をつく。



「「罰の特訓はもっと嫌だ。」」




「特訓は明日にして、今日は障害をちょっと予想してみましょう?」


「そうね。そうしないと特訓も何もないし。」


イーラがそう提案すると、ラーシャは頷く。


「まずあの先生の性格からして、意味のない障害を用意することはないでしょう。あの先生、訓練とかに関してはやたらと真面目だし。」


ラーシャらうんうんと頷く。


「そうなると、やった範囲で罠なり障害なりを出してくるはず。」


「魔術なら一、二、三、式、飛んで五式。無系統は多元が含まれるわね。五式は危険すぎてないでしょうけど。」



イーラも頷いて同意を示す。

一年が後期の二ヶ月、共通してやってきたことは、そんなに多くない。

魔術なら一、二、三式、五式、無系統。


「一、二、三式は単体では使いどころが少ないから、形状操作で槍や矢、あるいは感知と、固定でトラップ、後は凝縮で属性爆発ってところかしら。」


「そうだよね。となると練習するべきはダッシュしながらジャミングとか、ゴーレムの対処とか?他には魔力感知で罠発見か。」


そう言ってラーシャは必要なことを書き出していく。


「レッド君はどうする?」


「何とかするから大丈夫ってさ。」


そう言って百人斬りの方を見る。


「「できる系男子ね。」」


2人はレッドの意外な面を目にしたのだった。








(魔術モノリス戦)




「さてどうするかな。」


爽やかな金髪のサリウスが問いかける。


「イリスさん縛りが辛いよな。実質4人で競技に臨めってことだし。」


「そうだよね〜。イリスちゃん抜きは辛いところあるよね〜。」



ナーガの発言にミーアがうなずく。


「五式はどうでしょう?火力は申し分ないし、五人で魔術を使いわけることで、ジャミング対策にも、イリスさんのブラフにも使えますよ?」


眼鏡をかけた紫色の髪を持つリベラがそういう。


「名案だと思うぜ?」


「確かにー!そしたらイリスちゃんも入れるし、火力もジャミングも対策できる!!申し分なしだよ!!」


ミーアとナーガが頷く。



「……」


「イリスさん、なんか気になることでもあるの?」


サリウスが問いかける。



「五式は連発が難しいです。モノリスの強度次第で成功率が左右されるのは少し心配な部分があります。後ルールについて少々疑問点がありまして。」



イリスは、ルールの一行に指を指す。




[魔術モノリス戦]


反則事項

・モノリスに対して、魔術を使用しない攻撃は、失格とする。


・敵チームに対して、物理的な妨害、又は攻撃を目的とした妨害は失格とする。





「ここのところ。モノリスに対しては魔術を使用しないという表記なのに、妨害については物理的なという表現なんです。」


サリウスが思案顔を浮かべる。


「ただのミスっていうことも考えられるが、校長と教頭を通したプリントだし…」



「あの先生って意外と言葉の回しにはうるさいよね〜。」


ミーアも頷く。


五人が悩んでいると、ハッとしたようにイリスが呟いた。





「エンチャント…」




「それだっ!!イリスさん流石だよ!」


「確かにエンチャントは魔術を利用した攻撃です。身体強化だと物理的な攻撃には変わりませんからね。」



エンチャントとは、身体そのものを強化する魔術である身体強化とは違い、身体を魔力でコーティングする事で、身体機能を底上げする方法である。

エンチャントは魔力を身体に纏わせているので、身体強化と違い、鎧のような役割も果たす。

しかし、



「でも私エンチャントなんてできないよ?」



「俺もだ。」



ナーガとミーアがそう答える。


エンチャントは無系統魔術の二種複合魔術。


魔力固定と、事象付与という多元式魔術を組み合わせるので、準高等魔術とされている。



「僕も事象付与は一時期しかやった事ないな。」


「私もです。」



イリスは再び難しい顔をした。


何か、何か方法はないのだろうか?


そう悩んでいると、教室のドアが開かれた。




「質問あったら持って来い。答えてやるから。」




入ってきたのはユーリーだった。


ブクマと評価よろしくお願いします!!

夏休みが終わってしまうので少し頻度が落ちるかもしれません。

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