逃げる算段
ディルが出撃してから数十分後の輸送船の中、ハンスは青ざめ両手で頭を抱えてしまった。
「所属不明のラインバッカーを発見した早々、なぜかその機体めがけて突っ込んでいきましたよ!!偵察だけって話でしょう!!」
「Gか…」
ルートガーは面白そうにそう発言すると、Gについて何か知っていると思いハンスは首を傾げて尋ねた。
「Gってなんなんですか?なにか知っているんですか?」
「いや、ぜんぜんわからないな」
知らない人間の表情とはかけ離れていたためハンスは困惑した。
すると、コンソールからアラームが鳴った。
「また一機現れました!!」
「これは厄介だな…後は任した!」
「任したって…?」
「私も出るぞ!」
言うが早いかルートガーはラインバッカー格納庫へ向かって出て行った。
ハンスは心底絶望していた。
このチームは非常にまずい。
ディル少尉は周りから聞いていた通りのワンマンアミーで、一人で暴走してしまった。
ルートガー少佐も思っていた以上に厄介ごとに首を突っ込みたがるようで手に負えない。
ここは、一人でも生き残るように動かなければ事態は最悪のほうに向かってしまうと強く思ったのだった。
「二人など知ったことか、俺は一人でも生き残るぞ!」
ハンスは着々と逃げる算段を立て始めたのだった。
ルートガーは自分の愛機『イムメル』のコクピットの中で思考を巡らませていた。
「思ったより闇が深いな。レグリアの…いや…リュネックの思惑か…」
大型バズーカの弾を確認すると、どす黒い煙と炎が舞う病院の方へ出撃していった。