チュートリアル7
ちび狼を倒したら、次は羊を狩りたくなってきた。本当は山羊を狩りたいのだけど残念ながらチュートリアルにはいなかった。他の種がいるので羊の後に狩ることになるだろう。
「私は、この場所での食物連鎖のどれくらいの地位にいるのだろうか。」
ここいる羊は小さいくせに、そこそこ立派な角が生えていた。さすがモンスターというべきか。しかし、地球とはちがって品種改良はしてないみたいなので、ウールの採取にはあまり適してはいないみたいである。いずれ、自分で品種改良するか、そういう種を探すのも面白いかもしれない。
しかし、ラム肉祭りは嬉しい。しかも、毛糸に羊皮紙の材料まで手に入る。世の中には残虐な行為で興奮を得る人もいるが私はそうでもない。スライムボディは物理に強いし、武器も持っているので落ち着いて討伐することができた。
首を一撃で切り落とし、スライムボディで血抜きを行う。日本人の食の情熱は半端ないものがある。魚でいえば、マグロなどの処理を考えれば味や見た目をよくするための工夫がいたるところでされている。良い素材を良い状態で保つための工夫は色々なものがある。
後は皮を剥いで、皮からは余分な脂肪を取り去る。革にするにも羊皮紙にするにもじゃまになる。ついでに毛抜きもしてしまった。え、どうやって毛抜きしたかって、スライムボディで一発ですよ、脂肪もそのように処理した。
「やべー、異世界で脱毛エステしたら天下とれるかもしれん。ほかにも色々美容関係に力を入れれば・・・。」
うーん、夢が広がりんぐ。古今東西女性の美への情熱というのはすごいものがある。そして、美容関係で力を手に入れれば、それにともない美人と出会える確立も大きくなるだろうし、自分で美人を育て上げることもできるようになるだろう。
次のターゲットはうり坊である。すなわち猪である。うち坊を倒すのは気が引けるが、これもモンスターなのかそこそこ立派な牙が生えていた。羊のときも思ったが、将来的にどのような大物に育つか怖いものがある。しかし、やはり個体が小さい。連れて行けるなら肥育する方法もあるが、危険で凶暴なら育てられないな。
「あぁ、ハムが食べたい。」
猪を家畜化したのが豚だから、なんとかできるかと思うんだけど小さいからな。あとはスパイス関係がなさすぎるな。いろいろとやりたいことはあるけど、ここでは無理だろうな。
猪肉を見てたら、鳥肉を食べたくなった。この場所には何種類か鳥がいる。しかし、目の前の地を歩く鳥をなんといえばいいのだろうか。地球でも1mくらいある鶏なんてのもいるが、ここにいるのは雛っぽいくせに1m近くある。これ成長したら、どれくらいになるのだろう騎乗できるくらいになるんじゃないだろうか。
「ここに来る前は、大きい鶏や大きいおたまじゃくしを見たこともあるが、目の前の光景はそれ以上の驚きがあるな。」
縞模様の巨大雛である。縞模様は不思議である。生物のいくつかがそれを採用している。まぁ、人間も縞模様の服着たりするしね。もしもこの鳥が大きくなって、縞模様がなくなればヒクイドリやエミューに似たような感じになるのだろうか。
鶏だと若いと肉はやわらかいが味が薄い、年老いてると肉は固いが味は濃いという。この鳥はどうなのだろうか、あとは羽根は矢羽につかるのだろうか。矢羽は空を飛べない鳥でも使用可能だっただろうか。骨や足はスープをとるのに使えるだろうか。足はあとは猫とか飼ったときにあげたら、毛艶よくなるだろうか。