表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

短編

幻想なのかもしれない優しさについて

作者: カズキ
掲載日:2018/03/04

 生まれてくる命に罪はない。

 そんな言葉をきく。

 たしかにそうなのだろう。

 じゃあ、その命を作った、宿した存在の罪は?


 妹に宿った命。

 宿したのはどちらの罪なのか?


 やがて生まれ来る命。


 父親の不在を、その子は受け入れるだろうか?


 母親の愛を素直に、その子は受け入れるだろうか?


 宿った命にたしかに罪はないのだろう。

 生まれてくる命に、罪はないのだろう。


 その子に罪は無くとも恨まないとは限らない。

 どれほど命懸けで、愛情を注いでも。

 生まれてきたこと、それをいつか恨む日が来ないとは誰にも言えない。

 生まなければよかった。

 そう言われた時、妹は後悔しないだろうか?

 生まれてきたくなんてなかった。

 そう言われた時、妹は後悔しないだろうか?

 どれだけ愛情を注いでも、それが返ることなどない。


 俺は、親を憎んで恨んだ事があるからわかる。

 生んだことを、生まれてきたことを、憎んで恨んだ事があるからわかる。

 親がそれを望んで生まれてきた。

 それなのに、時間の経過と共にそれすら拒否された子供の心の痛みがわかる。

 

 子供は親を憎んで恨む。


 親も子供を憎んで恨む。


 俺はそれを識っている。


 識っているからこそ、生まれてくる命が妹に恨みも憎しみも抱いてほしくなかった。

 識っているからこそ、妹が生まれてきた命に恨みと憎しみを抱いてほしくなかった。

 それは誰にもわからない。

 そんな日は来るかもしれないし、来ないかもしれない。

 絶対は誰にも言えない。


 でも、もしも、もしも。


 いつかそんな日が来たとき、もしも妹が恨みも憎しみも受け入れて、それでも宿した命を愛しているのだと自信をもって言えるのだとしたら、きっとその命は幸福なのだろうと思う。


 きっと、俺のようにはならないだろうから。

 誰かを憎み続ける人生は、とても疲れるものだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うん、せやな  (´;ω;`)  ありがとさんやでー  (^ω^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ