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◆一服盛るのか?

◆一服盛るのか?


転校したものの、あっと言う間に夏休みになってしまった。

結局、友達と呼べるかは別にして、学校でなんとか まともにおしゃべりが出来たのは岩清水さんだけだった。


そんなわけで一学期の最終日、あたしは必死で岩清水さんに夏休み中にもう一度遊びに来ないかと持ちかけた。

岩清水さんは、あたしの顔を真っ直ぐに見上げ、コクリと頷いてくれた。

けっして必死に懇願する、あたしの顔が怖かったわけではないと思う。 ・・思いたい。


だって40日もの間、夏休みを一人ぼっちで過ごすのは寂しくて切ない。

なんなら夏休み中、ずっとうちに泊まってもらっても構わないくらいだ。


そうだ、今度は門限が気にならないように、午前中から遊びに来てもらおう。

そしてお昼は、あたしの手作り料理をご馳走しよう。

もしかしたら一服盛れるチャンスがあるかも知れない。

ずっと眠っていてくれたら、生あ○にゃんの抱き枕も夢ではない。


・・い、いかん、いかん。 また妄想に入ってしまった。

あたしは、ちょっとだけ垂れていた、よだれを手の甲でそっとぬぐった。


約束したのは、7月25日だ。

パパもママも勤めに出ていないし、防音もばっちりなので、とても待ち遠しいな。

お昼は何を作ってあげようか。

あたしは小さな頃から鍵っ子だったので、料理は結構な腕前だ。


そうだ、ケーキも焼こう。 岩清水さんんと二人で作ったら、きっと楽しいだろうな。

そう想うと、かわいいエプロン姿でネコ耳を付けた岩清水さんの姿が頭の中にモアモアと浮かんだ。

・・

気がつくとまたしても、よだれが垂れていた、

本人を前にして、絶対によだれを垂らさないように気をつけよう。

あたしは、心に誓った。


次回、「トモちゃん」に続く

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