2匹のうさぎ
わたしたちは、いつも同じものを見ている
同じ空を見上げ、同じ風を受け、同じ月を知る
同じカレーを食べ、同じように笑い、そして月を見つめる
何も知らず、何にもおびえず、だけどとなりを守るように
きょうも生きている
前に進み、新しいものに触れ、新しいわたしになり
ときに穴に落ちるのです
穴はとてもとても深く、這い上がることができない
私は暗闇を知り、すべてにおびえ、自分すら守ることができない
だけど それでも
そんな日もいいのです
理由はとくにありません
それでもいいのです
私は何かを忘れ、何かを選び、何かを捨ててゆく
そして気づくのです
わたしたちはお互いを見ているようで、実は自分自身を見つめていたのだと