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召喚者は究極自由人!  作者: 暮川 燦
第一章・召喚されし男とグレッセ王国編
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騒がしきメレッセリア

えーと、明日急に映画を見に行く事になって早起きしなきゃいけないんです……。


な、なので、今回は短め!

 ――クヴォリアを出て5日後、スルハを出発してからなら11日目の夕暮れ。

「おいおい……、どう言う事だ?」

 悠理達先行隊16名は無事メレッセリアの外れ……鬱蒼と茂る森の中から街に辿り着いた――のだが。

 そこには既にコルヴェイ軍と思わしき兵士達でひしめいていた。その数、遠目から見てもざっと100人以上……。

『この街も占拠されちまったって事か? ――いや、違うか』

 森の中に隠れつつ様子を伺うが、どうもそういった様子でもない。

 レーレも直ぐに気付く、住民達は怯えて大人しくなっているが手荒な真似はされていない様だった。

「――彼等はコルヴェイ軍の者で間違いありませんね。でも、どうしてこんな所に……」

 マーリィの証言から所属がハッキリしたのは幸い。バドレの様な所属(アン)不明(ノウン)など居ても厄介なだけだ。そうそう、そんな相手は居なくていい。

「ねぇ、どうするユーリ?」

 今にも駆け出して住民を解放したくなるのを抑えているカーニャ。

 単独先行したところで良い結果にはならないだろう。ここは自制して悠理に指示を仰ぐ。

 ――クヴォリアを出てから彼女はずっとこんな感じ。少し大人しさが出てきたと言うか、悠理に頼るにしてもその頼り方――――質や態度と言ったものが変わった様に思える。

 

「突撃して蹴散らしたらよかろう?」

 そんな成長の兆しを見せたカーニャと違って、身も心もまだまだ幼いリスディアの考えは実にシンプル。

 悠理やレーレの戦力は嫌と言うほど知っているのだ。この戦力を考えれば先ず負ける事はないと踏んでのこと。

「ダ、ダメですよ! 街の人達に何かあったらどうするんですか!」

 ――当然、そんな案が出れば止める者あり。ノーレの言う事は実に正論。如何に悠理達が強くとも万が一と言う事もある。

 クヴォリアで救えなかった8人の事を思えば、こう言う状況では慎重に動くべきだ。

『――で、どうするよ? 俺が全員気絶させちまうか?』

「その方が手っ取り早いが――――今回はやめておこう」

 死神お得意の“魂の半分引っ込抜き”を使えば確かに切り抜けられない事はない。

 しかし、実際にどれ程の兵士達が居るのか解らない以上、気絶させるなら本当に全員になるだろう。

 それはメレッセリアの住民も含めて、だ。

 前回は全員が敵で、誰に迷惑がかかる訳でもなかったが今回は違う。如何に上位死神であるレーレでも見えなければ識別出来ない。

 その事を知っているからこそ、悠理は今回許可を出さなかった。

 ――向こう側が手荒な真似をしてないのに、こっちがそうするのもイメージ的にどうかな――と言う、妙な気がかりもあるにはあったが。

 

「うー、ノーレ! 何か作戦をおねが――――!」

「――お前等はここで待ってろ」

 思考に手詰まって妹に代案を求めようとするカーニャの言葉を切って悠理が静かに立ち上がる。

「ん? 獣面、お主何か策でもあるのか?」

 その姿に何か自信の様なモノが漲っているのをリスディアは感じ取る。

 彼女も伊達に貴族に生まれてはいない。幼少期から鍛えざるを得なかった為に、人の内に秘めたモノを見抜く目はそれなりに、ある。――最も、普段はその傲慢さ故に曇りがちではあるが……。

「ああ、ちょっくら潜入してくる」

 だが、今回は大当たり。そう断言して良いほど自信満々に悠理は宣言した。

「へ?」

『ほぅ』

 当然の如く、一同唖然。

 しかし、彼はその隙に一瞬で姿を消してしまう。

 気付いた時には既に街の中へその身を紛れ込ませた後……。

「――――どう致しますかリスディア様?」

「どうもこうもないじゃろう。我等は連絡あるまでここで待機じゃ。皆もそれで良いな?」

 何故か今日はキリッとしているリスディアへ突っ込みたい思いを堪える面々。

 しかし、言っている事は正しいので今回は彼女の言葉に従うしかない。

『――さぁて、一体ユーリは何をやらかしてくるのかねぇ……』

 愉快そうにレーレは笑うと近くの木に背を預けオヤスミモード。

 ――メレッセリアで一体何が起こっているのか?

 それはきっと悠理が帰ってきたら面白おかしく説明してくれるだろう……。

次回、侵入した悠理の秘策が明かに!

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