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ゼ・ハは離席した3《深夜勤務マン5・暫定》
窓の外に広がる景色は宇宙……。
“観測所”は正確には次元の狭間にあるので、本来広がっている光景ではない。
これもまた彼女の持つ“観測”の力の一部。きちんと手順を踏めば、凡その見たいものを映す事が出来る。今ではかなり力が上がった――いや、引き上げられた関係上、余程の事がなければ見渡せるのだが……。
『ふぅ』と彼女らしくもない溜息を一つ。
椅子の背もたれに深く身体を預ける動作もまた、彼女らしからぬ挙動。それだけ彼女が疲労する事態が起こっている訳で。




