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航路2は赤《深夜勤務マン・暫定》
「二つ目の並行世界は……赤か――ってどうした⁉」
二つ目に渡る予定の並行世界の色を確認しながらユーリがゼ・ハを見ると、無表情の中にも微かに見えていた揺らぎが完全にそぎ落とされた顔になって、ヤケ酒でも呷るかのようにマグカップの中身を飲み干していた。
『……すみません。動揺しました』
「動揺の仕方が独特すぎるだろ……」
『これも個性という事で……それにしても、“そこ”ですか』
“そこ”と言ってゼ・ハ指差した並行世界のマップ。彼女が個人的に動揺するほどのそれに一体何が待ち受けているのか……ユーリは静かに戦慄して次の言葉を待つ。




