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最初の航路5《爆睡マン・暫定》
『“深緑のミカド”は向こうで言う“魔法”を使えません』
「……ん? でも魔力を操るんだろ?」
『はい。本来は魔力を練って対応した属性に変換し“魔法”として打ち出します。これは人によって適性が違うみたいですが、ミカドはどの属性にも魔力を変換できません』
「“魔法”が使えないのに魔力は操れて……“操魔神”って呼ばれてるのか? つまりそりゃあ……」
ゼ・ハの話を受けてユーリは顎にそっと左手を当てて唸った。
これはつまり、自分の“見えざる外装”と同じことなんじゃないか、と。
話から察するに“魔力”は属性に変換しないと“魔法”として成立しない。属性変換が一切できないミカドはそれでも“魔力”は練れるし、操れる……そこから導き出す答えは一つ。
「――魔力を変換しないで直接ぶつける? ないしは他人の魔力に干渉して変換を邪魔する、とかか?」




