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普段旅行へ行かない人の計画性5《深夜勤務マン・暫定》
不思議とユーリは七つの世界に対して懐かしさを覚えた。勿論、そんなハズはないのだけれど。
何故ならそれらはユーリ・ヒロセ――いや、廣瀬悠理が居ない世界だから。
居なくなって彼自身の可能性が閉じた世界だから。
そんな数多ある世界の内の七つ。たった七つが選ばれた原因がきっとある。
ユーリが降り立つだけの理由が間違いなく……。
「何が……待っているんだろうな?」
不安もなければ恐れもない声色。あるとすれば単純な疑問と好奇心。
まだ見ぬ景色に思いを馳せる探検家の様な心持ちで。