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虹の並行世界渡航計画!3《深夜勤務マン2・暫定》
『…………』
短距離空間移動の訓練を始めたユーリを観察しつつ、ゼ・ハはその驚くべき成長性に震撼していた。
廣瀬悠理が自力で空間移動能力――最終的には世界間の移動を可能としたのはかなり後の話だ。それこそ、ノレッセアを救った後の……長い、長い物語の先の話。
ユーリ・ヒロセはまだノレッセアを救ってすらいない。いや、あの並行世界のノレッセアを救う必要性があるかもゼ・ハは疑っている。存在しないハズの、新たに生まれる事はないと思われた並行世界の廣瀬悠理……。
それが意味する所は大きく、重く、厄介なモノなのには違いなかった。