3909/3918
世界を眺める彼方の虹3《深夜勤務マン4・暫定》
「――ん?」
偶然と言うには余りにもわざとらしい状況だった。つまりはもう、それは必然という事。
ユーリが特に意識した訳ではないが、気付けば“生命神秘の気”――いや、今は“生命秘奥の気”となったソレが発動していた。
溢れ出した虹色の光はやがて一本の鎖状になり、蛇の様にぐるぐるととぐろを巻き始めた。
「……」
彼はただぼうっとそれを眺めるだけだった。何を、どうすればいいのか?、などと考える必要もない。必要な時に必要な形として現れる……自分の力にはそれくらいの“自由さ”があるのだと悟っていた。