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世界を眺める彼方の虹2《深夜勤務マン3・暫定》
ゼ・ハが退室中、ユーリはマップ化された数多の並行世界を眺めていた。
部屋中に無数に散らばるそれは今やプラネタリウムの星々と何ら変わらない。
「並行世界、か……」
正直、それらに対して彼が思う事、思い入れは皆無と言って良い。
当然だろう。何せなんの繋がりもないのだから。無関心と言うよりは無関係寄りの心境だった。
だからこそ、視線は自分が居た並行世界のマップへ行き着く。ただの可視化された情報にそれ以上のものはない。けれど……やはりそこには大事なモノが見えた気がした。可視化されない明確な繋がりが。