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遥かゼ・ハの彼方に辿り着く5《深夜勤務マン3・暫定》
『さて、どうしましょうか……』
一通り調べて満足したのか、ゼ・ハはそう呟いた。
――彼女の両手には自分の分と、ユーリが押し返した分のマグカップが握られており、それらを何故か交互に飲んでいる。
手が塞がっているにも関わらず、宙に浮かぶディスプレイは動きを変えていた事から恐らく手で動かす必要もないだろう。
完全に仕事が終わったという状態なのか、交互にコーヒー(?)を啜る小さな音だけが彼女の仕事部屋(?)に響いていた。ユーリもまた静かにそれを待つしかない状況だ。
結局、此処が何処なのか、此処から帰れるのか――解らないのだから。