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遥かゼ・ハの彼方に辿り着く2《眠眠マン・暫定》
『これはまたとない機会です。良く観測させてもらっても?』
「なんだか良く解らんが……好きにしてくれ……」
『では、失礼します――ああ、すみません。私の名は“ゼ・ハ”。以後、お見知りおきを』
ゼ・ハは名乗った後、手にいつの間にか握っていた虫眼鏡でユーリの身体をあらゆる角度から言葉通りに観測/観察し始めた。
『――――』
表情が動かない代わりにその目は忙しなく動き、鋭く細めれた瞳こそが彼女の感情を如実に表していると言えた。