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遥かゼ・ハの彼方に辿り着く《お出掛けマン・暫定》
『――驚きました』
表情筋がピクリともしないかわりに微かに丸くなっただけで驚いたという女性にユーリは戸惑いしかなかった。辺りはプラネタリウムを彷彿させる光景。暗闇に浮かぶ星々の中にデスクと、宙を漂う光輝くディスプレイ。マグカップに入った何かを飲もうとしていた女性の前に転がる様に飛び出た自分。
『まさかアナタの方から接触してくるとは予想外です。いえ、これが事故なのは解っています。見ていましたから』
「お、おう……?」