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そして再びの放浪へ5《深夜勤務マン5・暫定》
「――うっ……」
精神保護の為に鈍くなっていた思考と感覚が戻ってきたユーリ。
朧気ながらに何が起きたかは解っている。解っているが……どうも今回は蚊帳の外に置かれていた感が否めない。部外者的な疎外感が禁じ得ないと言うか。
「兎も角……どうなった?」
未だぼやける視界と思考の中であってもユーリは状況を見極めんと周囲へ意識を巡らせた。
能力を酷使し続けていた所為もあってか、“生命神秘の気”の――――いや“生命神秘の気”の動きも鈍い。