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そして再びの放浪へ3《深夜勤務マン3・暫定》
“起源箱”と“生命秘奥の気”は会話が可能だ。お互いに自我を持っているが故に。
発声ではなく思念でのやり取りに近いが。
――世話になった。
とでも言うように、色鮮やかな光を表面に浮かべた箱が優しく瞬く。
それに対して未だ精神保護状態が解除されていないユーリは元より、“生命秘奥の気”もまた応えなかった。
何故なら“生命秘奥の気”もまたその自我を封印する作業に入っていたからだ。
正確には眠りにつくだけだが……まだ“生命神秘の気”が一種の“生物”として誕生するのに早いと思ったからだった。