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完全異常個体6《深夜勤務マン2・暫定》
“生命起源の気”が事態に気付いた時にはもう遅い。
既に“生命秘奥の気”はしれっとした顔で仕込みを済ませていたのだから。
それはまるで蛍の様な小ささでありながら、太陽と見紛う程の光量を秘めていた。ユーリの周囲を鉄壁の守りをもって浮遊するその数は……実に二十一。
“生命秘奥の気”も意図した訳ではないが気付いたらその数になっていた。
ぐるぐると光の環の如く周回するそれらに一部の隙も無い。
“生命起源の気”はそれらに対して引き攣った笑みを浮かべた――あくまでも感覚的に、だが。