3884/3919
完全異常個体3《お出掛けマン・暫定》
“生命秘奥の気”と“生命起源の気”による戦いは静かなモノだった。
物量で押そうとする後者に対して前者は静かに侵略を繰り返し、支配領域を広げていく。じわじわ、じわじわと……。
今回の戦いにおいて有利は常に“生命秘奥の気”にあった。何故なら攻撃目標として認識されていなかったとはいえ、ユーリの肉体を保護しながら“生命起源の気”に質量に浸食されずに乗り越えているのだ。
耐性や抗体と言ったモノはその段階で既に獲得していた。一方、“生命起源の気”はその事に気が付いていない相も変わらず物量作戦で押しつぶそうとするが……のらりくらりと躱され、少しずつ力を取り込まれていく。