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あらゆる世界の6《眠眠マン2・暫定》
我慢比べは後半戦に差し掛かっていた。
ユーリの身体を強制的に作り変えようとする超高濃度の“生命神秘の気”に対し、それから守ろうとする彼の“生命神秘の気”。
攻防の形がハッキリしており、延々と“生命神秘の起源箱”から噴き出し続ける前者の方が圧倒的に有利――に見えた。
だがしかし、ユーリが扱う“生命神秘の気”は一味違った。彼を強制的な進化から頑なに守っているのは、それが彼自身の願いだから。
人間と言う“規格”に拘る彼を尊重して“生命神秘の気”も答えた形になる……つまり、この両者の間で意思疎通が出来ている事になる。