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あらゆる世界の4《深夜勤務マン5・暫定》
ユーリは幽体離脱に近い状態を維持ながら、“箱”から放たれる超高濃度の“生命神秘の気”を眺めていた。
異空間として現実のノレッセアとはズレた位置にある此処を埋め尽くしていくそれは、あろうことか空間そのものを拡張し始めた。
まるでそれこそが“進化”だと言わんばかりに。
生命に進化を促すエネルギー……それが本質であるハズなのに、だ。
そもそも、惑星と言う生命を育てる揺り籠自体を“生命”だと認識しているという事なのか?
濃い虹色で埋め尽くされる視界を、世界を眺めながら現実逃避の様にそんな事を彼は考えていた。