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あらゆる世界の2《深夜勤務マン3・暫定》
「――がっ!? ぐ――――ぁ」
箱から溢れ出した超高濃度の“生命神秘の気”を浴びてユーリはビクビクと身体を痙攣させる事しかできなかった。
――もし、ある程度“生命神秘の気”を使いこなし、耐性のある彼でなければこの程度で済まなかっただろう。
普段、彼が使う“生命神秘の気”はあくまでも周囲へ甚大な影響を及ぼさない程度まで薄まっている。何度も言うが“生命神秘の気”は生命に進化を促すエネルギーだ。現代の日本やこのノレッセアにおいて生命の進化が必要な場面ではない。
知的生命体が誕生した時点で“生命神秘の気”は役目をほぼ終えたと言ってもいい。
超高濃度の“生命神秘の気”など惑星が誕生した最初期以外で発生していいものではない。何故ならそれは強制的に生命を進化させるものでもあるから。