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我は箱、名前は(以下略)5《深夜勤務マン・暫定》
――ムッ、イカン! イカンぞ! 青年っ⁉
急速に進化を重ねる事はユーリは初めてではない。元の世界では模擬戦とは言え師匠とは何度か死線を感じさせるような一撃を送りあったりもした。極限とも言える戦闘の中で最善の一手を選び続ける事の困難さ……。結局、最後は道連れ技の“死返し”になってしまったけれども、確かにあの戦いは急激な成長を促すものだった。
ノレッセアに来てからの日々もそうだ。龍やら女帝やら、神様やら……。兎にも角、戦闘の中で集中力を高め進化に繋げていった。
――だが、今回は質が違う。命と安全を保障された状態で発揮される集中力や思考とはまた。