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我は箱、名前は(以下略)2《深夜勤務マン4・暫定》
――同胞は何処へ居るのだろうか?
意識/自我を得て、箱はいつしかそう思うようになった。
自分の同胞……同じ規格とでも言うべきだろうか? “箱”はいくつか存在している。少なくとも、ユーリが今紐解こうとしている“箱”が有する知識の中には。
“箱”は自分が解放される事で他の同胞達が気が付いてくれるのではないか?、と考えている。
――ユーリが手にしている“箱”は“迷子”であるから。
他の“箱”が何処にあるかは知れない。
しかし、この“箱”はあらゆる次元、世界を彷徨う定めを与えられ、一つ所には留まれない。
ユーリ・ヒロセが居る並行世界だからこそ、何とか引っかかった状況を維持出来ている。




