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“生命神秘の起源箱(仮称)”3《爆睡マン・暫定》
「…………」
苦戦すること更に……半日。ユーリの目は虚ろだった。
仕事で選別作業を延々とやらされた時の顔だ。辞めたのはそれが過酷だった――と言う理由ではないが。
兎にも角、失敗しては繰り返し……を何度もこなしていれば段々と抜け落ちていくモノがある。感情だ。作業中にそれが無くなれば後は成功までひたすら道筋をなぞるだけの機械と化す。
ユーリは別にそれも嫌でもなかった。まぁ、自分が納得していればと条件が付くが。
目的を達成するにはそういう状態になることも必要だ。ただ、それが行き過ぎてしまうのはよろしくない。
「――――」
感情を消しつつもユーリの箱へ“生命神秘の気”を注ぐ作業は止まることはない。
単純に“肉体”と“力”を強化する“赤”や、その系譜の“色”は彼が得意とするところであるから、そこは問題ない。逆に問題はそれ以外は大体苦手と言う事になるのだが……。