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“生命神秘の起源箱(仮称)”2《色々マン・暫定》
「……面倒くせぇなこれ」
“生命神秘の起源箱(仮称)”を弄りつつ、ユーリは本音を漏らした。
箱に“生命神秘の気”の各“色”を個別に流す事によって解ける立体パズル的なモノなのは理解したのだが……事はそう単純でもない。
先ず、箱の表面に対応した“生命神秘の気”の“色”を通す。
普段……と言うか元々、正しい原理を理解出来ていないユーリは“虹色”――つまりは“多色”の状態で“生命神秘の気”を使う。これはあらゆる状況に対応出来る“拡張性”を重視した“色”だが、言い方を変えれば可もなく不可もない中途半端さを持つ。
各“色”を個別に出す事によって一方向に特化出来るのはユーリも知っている。
あまり利用する事もないので忘れがちだが……。
――“起源箱”の話に戻ろう。
仕掛けを解くに当たって難解なのは、一度通した“色”を維持しておかなくてはならない。
つまり、今まで何となく出ていた“虹色”を、意図して出さなくてはならなくなる――最終的にはと言う話だが。勿論、それが面倒――非常に高度な技術と根気を要するのは想像に難くない。