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観測領域よりbyゼ・ハ《深夜勤務マン3・暫定》
世界の、或いは宇宙の何処かにひっそりとあるとある領域。
そこでは一人の女性が、あらゆる世界を日々観測している。かつてはプログラムされた内容を機械の如くこなしているだけであったが、今ではこれは彼女にとって誇りある業務/使命と化していた。
『――――』
彼女――個体名称“ゼ・ハ”は立ったまま空中に浮かぶ半透明のSFチックなパネルに触れて何かの作業中。その目は素早くあらゆる情報を読み取り、指先がマシンガンの様な淀みのない正確な動きで情報を処理していく。
時折、思い出したかのように近くのデスクに置いてあるコップの中に満たされた謎の液体を飲む……。
まるでコーヒーの様な感じに見えるが、中身はまるで星空。真っ黒い液体に点々と光り輝くナニカが浮いて――これ以上はよそう。