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邂逅の意味3《深夜勤務マン2・暫定》
「これは……なんだ?」
玉座に腰掛ける様にして鎮座していたソレ。
彼女がそうであったように透明なソレは、ユーリが“生命神秘の気”を放って初めて姿を現した。
形状は四角い箱の様ではある。曖昧な表現なのはかろうじて視認出来ているだけだからだ。
手を伸ばしてみるも掴めず、ならばと“見えざる外装”で掴み上げようとしてみるが――今度はダメだった。
目に見えず、触れられない。
これまた難儀な代物であるが、これでは辻褄が合わない。ユーリはそう確信した。
意味のない事などありはしない。しかも、何者かは知れないが態々彼を此処へ呼んだのだ。何も出来ない、と言う事は有り得ない。