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邂逅の意味《昼夜逆転マン・暫定》
「戻ってきた……か?」
気付くとユーリは玉座の間へと戻されていた。
半透明だった彼女の姿はもうそこにはない。
「…………」
あの心地よい幻だった夏の夕暮れで交わした別れが正しいものであったと悟る。
どういう訳か、どういった存在の気紛れかは知れないが、もう二度と与えられないハズだった機会を与えられた事は素直に感謝しても良いのかも知れない。
「それはそれとして――」
余韻に浸る事もせず淡々と意識と気持ちの切り替えを行ったユーリは玉座の周辺を調べ始めた。