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わらってまたあしたって3《昼夜逆転マン・暫定》
“象徴”が死ぬ/破壊されると、周囲に災厄/災害を振りまく。
少女が死んだ時は――ユーリが居たお陰なのだろう。
彼女が愛した、大切に思っていたものは傷一つつかなかった。
――ユーリを含めて人は彼女を忘れてしまったけれど。
ただそれ以外の被害は出ていない……表向きには。
被害があったのは彼女の親族。現代に“姫巫女”の濃い血を遺そうとした一族である。
彼らは――尽く滅んでいた。
まず、彼女は正式な一族のものではなく、一族の長が愛人に産ませた子であり、認知すらしていなかった。長年、血を維持する為に一族内で婚姻を繰り返していたのに、望んでいた姫巫女の“再来”は外から血によってもたらされた。
しかも、一族は病弱な彼女を“欠陥品”とすら呼んだ。そんな彼女がこそが“待ち望んだ再来”である事も気付かなかったのはとんでもない皮肉である。