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たがいにただのしょうねんとしょうじょだったら4《深夜勤務マン2・暫定》
『全く、儚い美少女の純粋な夢を未練とは……相変わらず女心が解ってないじゃないか君は』
『ふー、やれやれ』とアメリカンに肩を竦めて見せる少女に、ユーリは珍しく狼狽えた様子で口を何度もパクパクと動かすも、言葉が出てこない様子であった。
『お……前……』
やっと喉奥から搾り出したものはそんな意味のない言葉。
言いたいことは、かけたい言葉はもっとあったはずなのに、いざその状況になると何もかも霞がかかったように消えて行ってしまう。