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あかし《深夜勤務マン・暫定》
ユーリ・ヒロセは異物である。
ユーリ・ヒロセは例外である。
彼は異世界――新たに生まれた並行世界から来た。
彼は廣瀬悠理でありながら廣瀬悠理とは異なるモノである。
彼は異物であるが故に“祝福”を扱えず、さりとて“象徴”としての機能を持つ事もない。
彼は例外であるが故にただ可能性だけを持ち、先へ進む者である。
かの異端者に“祝福”あれ。彼女の叶わぬ愛への献身を忘れるなかれ。
かの例外の行く末に輝かしい“道標”があらんことを。それが彼女の願いと言う忘れ形見であるが故に。