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そうあれかし《深夜勤務マン4・暫定》
仮に……仮にだ。
ユーリ・ヒロセが“象徴”であったとして――それは意味があるのだろうか?
“象徴”はユーリが暮らしていた並行世界の地球――仮称として“醒暦世界”と呼ぶが――の独自システムである。数多ある並行世界にも似たようなシステムはあるだろうが、酷似していたとしても各世界に合わせてカスタムされているならそれはもう別物として数えてもいいだろう。
つまり、何が言いたいのかと言えば……システム上の問題だ。
“象徴”は“醒歴世界”と密接な関りがある。簡単に言えば現代世界におけるスマホの様なもの。
ユーリはスマホ本体で、“象徴”は“醒歴世界”と言う電波と繋がって初めて使える“アプリ”と言っていい。
異世界は規格の違う電波みたいなものだ。異世界人のユーリはその電波を受け取れないし、固有のシステムを使う事は出来ない。